去勢について

雄の去勢は、愛玩動物として長く一緒に暮らしていくために必要な措置となります。
まず、睾丸等にかかわる腫瘍などの疾病予防になり、病気にかかるリスクを低減することができます。又、8か月齢前後から始まるスプレー(オシッコを壁や家具、ドアなどにする行為)を概ね(90%前後と言う説があり)防止することができます。子猫をむやみに増やさないという意味でも必要ですね。
去勢をする時期については、様々な考えがあり一概に言うことはできませんが、目安としてはスプレー開始前が良いのかなあと考えます。(スプレーが始まった後からでも去勢することでスプレーは防止できるそうですが、中には癖になり防止できなくなる猫もいるそうです。)ただ睾丸など性器の発育はホルモンと密接な関係があり、私個人としてはあまり早い時期ではなく、ある程度発育してからが望ましいと考えています。よって8か月齢少し前あたりがちょうど良いでしょうか。
去勢手術は、さほど大変な手術ではなく、術後の管理もほとんど必要ないのであまり構えなくて良いと思われます。麻酔も深くならないよう気管チューブを挿入する麻酔ではなく呼吸からの麻酔ですので、麻酔による事故は全くないわけではありませんが、他の全身麻酔に比較すると影響が少ないと思われます。(獣医さんによっては、しっかり気管チューブを挿入してやる場合もあると思われます)手術時間も概ね30分以内には全て終了しますが、麻酔から覚めるのに1時間ほど必要となります。術後の様子を見るために、それから4~5時間は必要で朝手術したら夕方のお迎えとなるでしょう。
費用は2万円前後でしょうか。
今回、当キャッテリーから巣立った雄猫6ヶ月齢のマックス君の去勢に立ち会いましたのでその概要をお知らせします。

去勢1
これから麻酔をかけます

鎮静剤の注射で軽く静かにして、呼吸から麻酔のガスを吸わせて全身麻酔をかけます。

去勢2

かわいそうですが、陰嚢(睾丸)の周りの毛は引っ張って抜きます。

去勢3

手術部位周辺を消毒します。

去勢4

術野が汚れないように、有窓布をかけ睾丸を摘まみます。

去勢5

メスによる切り口は1か所から両方の睾丸を取り出す方法と、2か所別々に切り直接睾丸を取り出す方法があるようですが、今回の方法は2か所から睾丸を別々に取り出しました。

去勢6

血管と精管を剥離し、結紮するのですが、今は糸を使わず電気こての様な機械(リガシュワー)で熱によるシールで止血してしまいます。

去勢7

切り口は縫わないでそのまま自然に癒着するのをまちます。

去勢8

手術が終了しました。正味かかった時間は10分程でした。

麻酔から覚めたところ

術後約1時間経過。もう意識は戻っていますが、若干動きがまだ緩慢でした。麻酔の覚める時間等は個体ごとに違いますので、獣医師の指示に従いましょう。