管理道具等

さあ、これから初めて猫を飼育しようと考えている方、既に飼育しているがどうも上手くいかない方など、基本的な飼育管理方法をおさらいしてみましょう。

1 必ずやらねばならない事
 

①ブラッシング

ラグドールは長毛種で毛が長く伸び又春先等はたくさん抜けます。ほおっておくと毛玉となり切らなくてはならなくなります。また猫はグルーミングといって体の表面を舐めきれいにすることから、毛をその時食べてしまい一部は糞便となり出て行きますが残りは胃の中で毛玉となります。概ねは吐き出すことで解決しますが、中には毛球症となり腸内で引っ掛かり手術して取り出さねばならなくなることもあり大変な事態となってしまいます。

そこで、出来たら毎日ブラッシングをして毛が胃袋に入る量を最小限にしてあげましょう。

②爪切り

ほおっておくと、爪が伸びて抱いた時など刺さってとても痛くなります。気が付いたらで構いませんので切ってあげましょう。中には爪切りを嫌がる猫ちゃんもいます。ぐずり始めたら無理せずに残りは次の日というように焦らず行いましょう。

③トイレ清掃
通常ウンチは1~2回、オシッコは1~3回します。猫は清潔なトイレを好みます。トイレが汚れていると我慢したり、他の場所でしたりすることがあります。気が付いたら取り除いてあげましょう。又使用しているトイレ容器は様々な形態がありますが、私の所では2週間に一度全て猫砂は廃棄し、消毒薬(パコマ)で洗浄し新たな猫砂を入れ使用しています。

④電気コードの被覆
子猫の時期は特に細いコードや紐と遊ぶのが大好きで、最後にはかじって切断しようとします。電気を使用しているコードを齧ると感電し大やけど等することになりますので、目につくところは被覆しましょう。100円ショップのダイソーでプラスチックの扱いやすい商品が販売されているので便利です。


 

2やったほうが良い事

①シャンプー
猫は水をかけられるのを嫌う子が多いです。その結果押さえつけながら洗うことになり体中にひっかかれ傷が出来たりと相当体力を消耗します。慣れさすことも必要ですが、嫌がるようでしたら夏を中心に3~4回ほどでも良いのではないでしょうか。私は飼い始めのころは2か月に一度慣らすために行っていましたが、今は諦めて全くシャンプーはしていません。キャットショーに出陳する時のみ行っています。

②歯磨き
これは出来たら毎日磨いてあげてください。私も飼い始めのころはトライしましたが、なかなか難しい。じっとしていない、やらせてくれないという現実があります。色々な商品が販売されているので自分に合った方法を見つけてください。ただ固形飼料(カリカリ)を給与している限りあまり歯石等問題はこれまで起きていません。

③危険な個所を無くす
猫は高い所が大好きです。例えばベランダの手すりや階段の手すり、一歩間違えると大惨事で骨折してしまうこともあるでしょう。てすり等には登れないように、それぞれの形体に合わせて工夫しましょう。写真は階段の手すりに登れないように段ボールで塞いでいます。

④危険な植物を置かない
猫にとって危険な植物(沢山ありますので確認しておいてください。リンクを張らせて頂いております。作者に感謝申し上げます)ありますので、確認の上危険な植物は猫が入れない部屋に移動するか、届かないところに置きましょう。

3 食事

基本は月齢、年齢にあった食事及び量を給与することが大事です。概ね育成期の1歳までの食事、1歳過ぎてからの若成猫、7歳を過ぎてから及び10歳以降と区切りをつけています。また月齢、体重にあったエネルギー要求量が示されており、必ず計算し必要なエネルギー要求量を把握し、毎回秤で計測して与えましょう。参考に必要なエネルギー要求量の表をリンクしておきます。これらはあくまで参考値です(育成期は体重に対してややオーバー値となっています)ので個体の状態を毎週体重測定しながら確認し増減していきましょう。
これまで色々良いとされるドライフードや缶詰等のウエットフードを海外の物も含め一部試しに与えてきましたが、手に入りやすく年齢や症状(療法食)に適したきめ細やかなフードとなると、メーカーとしてはロイヤルカナンとヒルズに行きつきました。現在はロイヤルカナンが中心となっています。
現在の当キャッテリーで実際に給与しているフードをご紹介いたします。
①育成期(高エネルギー)
4か月齢から1歳未満で成長が著しい時期であり、高エネルギーのフードが必要とされます。値段や栄養のバランスからロイヤルカナンの「キトン」ドライやニュートロ「ナチュラルチキンキトン」を与えています。
又少し胃腸が弱いと思われる子猫に対しては、ロイヤルカナンの消化器サポートキトンのドライやウエット、ヒルズのi/dドライを使用します。これは伴に通常の一般的なフードと比較して少量で栄養が足りるように高エネルギー飼料となっています。併せて胃腸にも優しいです。
おやつ代わりの缶詰等ですが、主にパウチで「1歳までの成長期用スープごはん」CattyMan、「子猫用ミャウミャウ」Aixia、缶詰でMonPetitの「極上まぐろ」などです。少し高価ですがフリーズドライのササミも大好きです。あとおなじみの「ちゅうる」など。
②1歳からの食事
この年齢からは、尿疾患対策を中心に考えます。尿のPHを適正に保ち尿結石予防等を目的として選択します。できたらストレス緩和の成分であるミルクプロテインを含むことにより特発性膀胱炎も予防します。
避妊去勢を行った猫にはロイヤルカナンの「ニュータードケア」、避妊去勢を行っていない母猫には、ロイヤルカナンのクイーンにユリナリーS/Oを混合したり、結石予防に高繊維が効果があることから肥満サポートCLTを混合し、ニュートロのナチュラル穀物フリーを混ぜエネルギー量を補いつつ下部尿路対策を考慮して給与しています。少し太り気味の個体にはロイヤルカナンの「肥満サポートCLT」を中心に与えています。
おやつ代わりの缶詰めですが、嗜好性(頭数が多いと好き嫌いがそれぞれあることから全員が食べる缶詰を探すのが大変)の問題でメインはMonPetitの「極上まぐろ」「極上ささみ」、最近のお気に入りAiXiAの焼津のまぐろ(金缶)を毎日朝いちばん最初に給与しています。
③7歳からの食事
この年齢からは、尿疾患に加え腎臓にも配慮したフードに切り替えます。こういう療法食を兼ねたフードを探すのにはロイヤルカナンとかヒルズはすごく助かります。
実際にはロイヤルカナンの「ユリナリーS/O CLT エイジング7+」に健康猫にも栄養が不足しない「早期腎臓サポートドライ」を混合しています。
④10歳からの食事
私は早めの10歳過ぎたあたりから、早期腎臓サポートドライを給与しています。タンパク質の量を若干制限しリンを制限するのが腎臓病に対処したフードでしたが、近年リンの制限はカルシュウムとの比率が重要でCa/Pが1~1.4がよいそうです。
病気の所でも書きましたが、腎臓は年齢とともに腎組織の機能が低下し、検査で異常を判定できる時にはすでに1/3しか機能していない状態となってしまいます。腎臓組織は一度壊れると元には修復しません。(急性腎臓病では一部修復し回復します)その為には早めに機能低下が起こるのを送らせる必要があり、腎臓に負担をかけるフードは避ける必要があります。

4 道具等

トイレ容器①トイレ
色々なトイレが販売されており、初めての方は戸惑うかもしれません。基本体形にあった大きさのトイレであれば構わないのですが、大きく違うのは尿を猫砂に吸着させず、下皿で受けるシステムトイレか、一般的な猫砂に尿を吸着させ捨てるタイプがあります。できたらシステムトイレは一つは置いてほしいと考えます。その理由は、猫は腎臓など泌尿器系が弱く病気になる事があります。その時必ず動物病院で尿の検査を求められます。システムトイレですと受け皿にペットシートを逆さに敷く(しみないビニール様になっている)だけで、スポイトでとることが出来ます。一般的な猫砂形体ですと尿の採取が困難となり、動物病院では直接膀胱穿刺などで採取することになるかもしれません。
ただし、猫にとってはストレスチェックと言うので測定してみると、一般的な猫砂トイレのほうがストレス度が低いと言われており両方使用するのが良いですね。数は最低飼養数プラス1個用意しましょう。我家では各ケージにシステムトイレを1個入れ、共通スペースにシステムトイレと一般的な猫砂トイレを各1個ずつ、1階と2階にそれぞれ置いています。
爪とぎ(紙製)②爪とぎ
猫は必ず爪とぎをすることを習性としています。気に入った場所等それぞれ違う場所で爪とぎをします。それが畳であったり、木材の柱であったり、本箱の本であったり、木材の扉であったりと様々です。よく観察しそのような場所があれば、カバーで覆う、絨毯を敷く等対応しましょう。それに加え、麻ひもや段ボール素材の爪とぎが市販されています。縦型横型円形型等色々ありますので、一つと言わず色々取り揃えて頂くと猫にとってはうれしい事ではないでしょうか。
③キャットタワー
猫は高い所が大好きです。箪笥やテーブル台など工夫してゆっくり休めるようにするのも良いですが、一つ二つキャットタワーを置いてあげると喜びます。体の大きさに合わせたしっかりしたものを選びましょう。